アイドルは流れ星

アイドルに生かされている社畜の戯言

歌声で私を救ってくれた人

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たくさんの楽しい出来事が溢れる夏、皆様いかがお過ごしでしょうか?

私は大成功に終わったNEWSくん味スタの余韻を噛み締めつつ、うっかりMADEちゃんサマパラもエンジョイしつつ、休む間もなくセクゾンちゃんの24hTVに向けて泣きながらレコーダーを整理する毎日です。(終わらない)(3年連続で24h分の容量確保しなきゃいけないなんて思ってなくて油断してた)

味スタは本当に最高でしたが、今回は味スタが最高だった話ではないです。いま味スタの話をやらなくていつするんだ?と我ながら思いますが、その話ではないのです。「いのちのうたフェス」の感想です。概要としては、手越くんが先日のいのちのうたフェスで歌った「いのちの歌」を聴いて、大号泣してしまったという話です。

起承転結がない自分語り(加藤さんあたりに怒られそう)で面白くもない話ですが、読んでくださる方のお暇つぶしになれば幸いです。

 

 

 

私的なことにはなるけれど、身内に不幸があってずっとバタバタしていた6月でした。まあNEWSのことでも色々あったんだけど、それ以上に私生活のほうがどうにもならず、SNSもあまり出来ない(振り返ってみればある意味それは良いことだったのかも、とは思うw)日々でした。

ふいに泣いたりもするけれど確実に頻度は減って、だんだんと気持ちも上を向いて、忌も明けて、やっとこさ本当にひと段落した感じがしたなと、私にとっては、そんなタイミングでのいのちのうたフェス。よもやそんなタイミングで見ることになるとは発表時は思っていなかったものの、情報解禁時からずっと観るのを楽しみにしていて。加藤さんの素敵な司会っぷり、出演者の方の素敵なパフォーマンスの数々、平和についての映像、たくさんの感想があるものの、そこにも言及し始めたらキリがないので割愛する(また余裕があったら書きたい)けれど。

 

とにかく個人的にそういうタイミングだったので、戦争や平和に思いを馳せるより前に、私が気持ちを寄せた先にあった命は、先日旅立った祖母のものでした。そしてそんな私の心にいちばん深く届いたのが、手越くんが歌った「いのちの歌」という歌でした。

 

  

手越くんの歌が始まって、その歌声の一音目から、あまりにも澄んでいて美しくてあたたかくて切なくて…もうそれだけで涙目になってしまってはいた気がするんだけど。私は手越くんが歌う曲がどんな曲なのか、恥ずかしながら知らなかったのです。竹内まりやさんの「いのちの歌」という曲。*1

これがとにかく、本当に本当に素晴らしい曲で…。合唱団の子供たちのコーラスも手越くんの歌声もとても優しくて、そして勝手ながらそのときの私には響きすぎる歌詞と優しいメロディーに、気付いたらボタボタ涙がこぼれていた。

 
本当にだいじなものは 隠れて見えない
ささやかすぎる日々の中に かけがえのない幸せがある
 

もう聴きながらずっと泣いてたけど、ここの部分がもう本当に…泣きすぎて嗚咽が漏れた。だめだった。

 

 

大好きな自慢の祖母について、少しだけ思い出話をします。いつもお洒落で、綺麗な爪の先は真っ赤に彩られていて、お酒とタバコがよく似合って、社交的だけれど奥ゆかしくて、少しシャイな少女のようなところも持ち合わせていて、本当に不思議な魅力に溢れた人だった。何よりとても優しい人だった。

私が初めて髪を染めた日「もうお姉さんやなあ、可愛いなあ」って、とても喜んでくれた。初めてピアスを開けた日、私の耳に光るファーストピアスを見つけた祖母は、目を輝かせて飛んできて「ええやん、可愛いわ〜3つだけ?もっと開けへんの?」とニコニコしていた。身体に穴を開けたことを何か言われたりするのかな、と思っていた私は笑ってしまったなあ。私がネイルをしていると「綺麗にしてるなあ、この手は私に似たかな」と言っていつも手を撫でてくれた。コンプレックスだらけの私が自分の体で一番、というか唯一好きなのは、おばあちゃん譲りの手の形だよ。きっとこれからも。

 

もっといろんなところに一緒に行けばよかったとか、もっとたくさん一緒にごはんを食べて、いろんな話をすればよかったとか。昔よく歩いた散歩道はどこもすっかり変わってしまったけれど、また手を繋いで散歩したかったな、とか。身体を悪くしてからネイルはしてあげられなかったけれど、綺麗で真っ赤な爪をもう一度見たかったな、とか。

左手は母、右手は私、冷たくなった指を取って一緒に爪を切り揃えながら、そんな思い出をたくさん数えた。相変わらず綺麗な指だった。足りないのは温度だけ。

 

大切な思い出を反芻しながら、全部全部、もうこれからは出来なくなるなんて知らないうちに終わりを迎えていたんだなあ、と気付いた。当たり前だけど全部、もう二度と経験出来ない。そのときはそんなこと思わなくて、当たり前みたいに次があると思っていた。今なら、ひとつひとつがどれだけ尊いことだったかわかるのに。 

心配で後ろ髪を引かれながら仕事に向かったあの朝、もうほとんど声は出なくなっていたのに、家を出る私に「いってらっしゃい」と口を動かしてくれて、私は涙を我慢して「いってきます、また夜にね」と答えて、それが会話らしい会話をした最後だった。

 

自分なりにやれることはやって一緒に過ごしてきたつもりだったし、最期も自宅で家族みんなが一緒にいられて、あれ以上出来たことはないよなという気持ちもある。でもやっぱり後悔じゃないけれど、泣く頻度が減ってもなお、もっとこうしておけば、ああしておけば、っていう気持ちがずっと消えなくて。

そんな気持ちを、今回いのちのうたフェスで「いのちの歌」と手越くんが救ってくれた気がしました。いや、気がしたというか、私は勝手にめちゃくちゃ救われてしまった。後悔と寂しさばかり数えていたけれど、たくさん楽しい思い出があったことを思い出したし、私がずっと大好きだよありがとうって思ってたこと、きっと最後まで伝わっていたよねって、そう思ってもいいのかなって思えるようになりました。歌詞の一言一言が、歌声の一音一音が、ずっとどこか固かった心に刺さって、とても柔らかいものになったような…心に光が差したみたいに温かい涙が出てきて、うまく表現できなくてもどかしいけれど忘れられない。

 

生きていると楽しいこともつらいことも腹を立てることもあって、人間だから誰かと上手くいかなかったり喧嘩をすることもあって、それは当たり前で必要な営みだと思うけど、当たり前に出来なくなる日が必ず来る。10年後かもしれないし来月かもしれないし、明日かもしれない。それを意識して生きる人が1人でも増えることで、変わる世の中も、優しくなる世界もあるのではないか、そんな風に思いました。 

平和を考えることは命を考えることなのかな。そして命を大切にするというのは大げさなことじゃなくて、当たり前みたいに繰り返される日々の営みを慈しむこと、平たく言えば毎日行ういろんな選択を大切にすることなのかなあと。ぼんやりと、手越くんのやさしいやさしい歌を聴いて思ったことです。

 

あのとき誰にも言わないまま、空に向かってさくらガールを歌った手越くんは、どんな気持ちであの曲を歌ったのかな。そんなことも思いました。とにかく、私がNEWS担じゃなかったら出会えていなかったかもしれない、尊い時間でした。手越くんの歌声が私に与えてくれるものは(他の全てのアーティストがそうであるように)本当に唯一無二で、そんな人に出会えたことを幸せに思います。こんなに分かりやすく救われることって人生でそう何度もあることではないと思うので、書き残したくなった次第です。

 

 

あとは本当に余談になるけれど、「いのちのうたフェス」らしい話題をひとつだけ。戦争について考えるときに必ず思い出す、忘れられない出来事をひとつ。

 

小学生の頃、通っていた学校に戦争体験者の方が講話をしに来たことがあった。いわゆる語り部さん(この呼び方が全国共通なのかはわからない)です。実体験として語られる話はとても怖くて苦しくて、でもまだ自分自身が幼かったからか、どこか雲の上のような話にも思えた。そこで家に帰った私は、いつものように夕飯の支度をする祖母とおしゃべりをしながら聞いたのだった。「おばあちゃんって戦争のこと覚えてるん?」と。それまでにこやかだった祖母は、急に静かになって「…覚えてないわぁ。昔のことやから」と言った。

今でも思い出す、電気をつける前の少し暗くなった夕暮れの台所で、初めて見る祖母の顔でした。私に対して祖母の心が"閉じた"と感じて、それ以上なにも話せなかったし、そんな風に思ったのは後にも先にもこのときだけだった。初対面の語り部さんの話も怖かったけれど、それ以上に、こんなに穏やかで優しい人にこんなに温度のない顔をさせる、戦争というものはどれだけつらくおそろしいものなんだ、と幼心に漠然と怖くなったのを覚えています。 

 

こういうことも機会がなかったらなかなか思い出さなかったり考えなかったりするので、今年もいのちのうたが観られて良かったなあと、しみじみ思ったのでした。

 

 

 

  

…なんかよくわかんないし着地点もないけど、書きたいことは全部書けた!ので、以上!おわり!

このブログを読んでくれてる方は、きっといのちのうたフェスのオンエアを見られてると思うのですが(笑)、もしそうでない人がいたら、ぜひ何とかして観てみてほしいなと、思いました。どの曲もとても良かったし、歌パートだけでなく全体として本当に素敵な番組でした。2年連続で大好きな人たちが出ているところを見られて、とても嬉しかったです。加藤さん、ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして最後に手越くん、あなたに自覚はないと思うけれど、やさしい歌声で私に救いの手を差し伸べてくれてありがとう。あなたの歌が本当に大好きです。

 

  

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*1:あまりにも素敵な曲だったので、この曲が収録されている『Mariya's Songbook』というアルバムの音源を入手して聴きました。竹内まりやさんが他アーティストに提供された曲が集められた最高のアルバムですので、興味のある方は是非に…!